「もう歳だからインプラントは無理だろうか」「70歳を超えて手術をするのは怖い」このように考えて、入れ歯の不具合を我慢している高齢者の方は少なくありません。
本記事では、高齢者がインプラント治療を検討する際に知っておくべきリスクと、歯科医院選びの基準を解説します。
医学的に「〇〇歳以上は不可」という統一された年齢制限はありません。実際、70代や80代でインプラント手術を受け、噛む機能を取り戻している患者様も多く存在します。
ただし、外科手術を伴うため、治療の可否を分けるのは年齢そのものではなく、手術に耐えられる体力があるか、骨の状態や持病のコントロールができているかという点です。70代でも健康であれば可能であり、逆に若くてもコントロールされていない疾患があれば難しいケースがあります。
メリットは、噛む力の回復です。入れ歯と比較してしっかりと噛めるため、肉や野菜など多様な食材を摂取でき、低栄養の防止につながります。また、噛むという行為は脳への血流を促し、脳への適度な刺激となることで、全身の健康維持にもつながると言われています。
インプラントは外科手術を伴うため、出血や腫れ、術後の痛みといった身体的負担が避けられません。高齢者の場合、免疫機能が低下していることが多く、若年層に比べて傷の治りが遅かったり、感染症のリスクが高まったりする可能性があります。
外科手術を伴うため、以下の疾患がある場合は医科(主治医)との連携が必要です。
糖尿病の方は、高血糖により免疫力が低下し、術後の感染リスクが高まります。一般的にはHbA1c(ヘモグロビンA1c)が7.0%未満にコントロールされていることが、手術可能かどうかの目安とされています。数値が高い場合は、まずは内科的治療を優先します。
インプラント手術は外科処置を伴うため、痛みや緊張による交感神経の興奮、あるいは使用する局所麻酔薬の影響により、一時的に血圧や脈拍が変動しやすい特性があります。そのため、高血圧や心疾患の既往がある場合は、術中の心電図モニターや血圧計による全身管理(モニタリング)が必要です。
また、血液をサラサラにする薬(抗血栓薬)を服用中の場合、自己判断での休薬は血栓症のリスクを高めるため推奨されません。現在は薬を継続したまま、適切な止血処置を行って手術をする手法が標準的です。必ず医科と歯科の連携のもとで計画を立てます。
骨密度が低下している場合でも治療は可能ですが、インプラントと骨が結合するまでの期間が長くなる傾向があります。 特に注意が必要なのは、治療薬を長期服用している場合です。現在は骨折予防の観点から、一律に休薬せず、口腔衛生管理を徹底した上で手術を行う方針が主流になりつつあります。必ず主治医(整形外科等)と連携し、慎重に判断します。
インプラントは入れたら終わりではありません。天然の歯以上に丁寧な歯磨きが必要です。認知症の進行などで口腔ケアが十分にできなくなると、インプラント周囲炎という歯周病のような状態になり、最終的に抜け落ちてしまうリスクがあります。
高齢者の治療は、単にインプラントを埋め込む技術だけでなく、全身管理と将来設計が問われます。以下のポイントを確認しましょう。
手術中に血圧、脈拍、血中酸素飽和度などを常時監視できる「生体情報モニター」を備えていることは必須です。また、万が一の体調変化に備え、近隣の内科や総合病院と連携体制が取れている歯科医院を選びましょう。
体力を消耗させないための工夫があるかも重要です。
「今は元気でも、10年後はどうなっているかわからない」のが高齢者の治療です。将来ご自身で歯磨きができなくなった場合を想定し、管理しやすいインプラントを支えにする入れ歯への移行など、撤去や修正の計画を含めた出口戦略まで提案してくれるか確認しましょう。
インプラント治療は高齢者にとっても、食べる喜びを取り戻す有効な手段です。しかし、リスクゼロではありません。「年齢制限はない」という言葉だけを鵜呑みにせず、ご自身の全身状態を正しく評価し、リスクを含めて説明してくれる歯科医院で相談することをお勧めします。
自費診療で高額な治療費のインプラント。一般的な虫歯治療とは違い、外科的な手術を伴うことから、専門的な知識や技術が必要な治療法と言います。ここでは、インプラントに関する学術や技術的な研鑽を積み重ねる日本口腔インプラント学会に所属する医師が在籍し、感染症などのリスクを減せるオペ室を完備する京都のクリニックをご紹介します。

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(※)「インプラント 京都」でGoogle検索し、100位までに表示された61のクリニックの中から、対応するインプラントメーカーや治療の種類、オペ室の設置、日本口腔インプラント学会に所属する医師を公式HPで明記する10クリニックを選出。その中から特徴的な3つのクリニックを紹介しています。(2024年4月2日調査時点)