インプラントは、失った歯の機能や見た目を取り戻すための優れた治療法ですが、手術後の過ごし方によってその成功率や持ちも大きく変わります。
特に「手術後にいつから運動してもいいのか?」という疑問を持つ方は少なくありません。実は、運動の再開には注意すべきポイントがいくつかあり、無理をするとせっかくのインプラントに悪影響を及ぼす可能性もあるのです。
この記事では、インプラント手術後の運動に関する注意点や再開のタイミングについて解説しています。手術を控えている方や、術後の生活に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
インプラント手術直後の運動は基本NGです。
埋め込まれたインプラント体が、ご自身の骨としっかりと結合し、安定するまでの期間(オッセオインテグレーション)が重要になるためです。この時期に運動をしてしまうと、出血や腫れの悪化、痛み、固定の阻害のリスクが高まってしまいます。
体を動かすお仕事の場合、インプラント手術後の復帰時期や過ごし方は、デスクワークの方とは異なる注意が必要です。
業種によっては復帰時期の配慮が必要です。力仕事や重労働などはインプラントに致命的な影響を与えてしまう可能性があるため、無理してはいけません。
手術部位に負担をかけないように、普段の業務内容を考慮しながら、歯科医師と相談して慎重に進めていきましょう。
インプラント手術後の運動は、段階的に再開していくのが安全です。
この期間は、インプラントが骨に定着するための非常に重要な時期であり、安静が基本です。
血流が良くなることで出血や腫れが悪化したり、インプラントの定着を妨げたりするリスクがあるため、激しい運動はもちろん、軽い運動も避けてください。デスクワークや軽い家事など、必要最低限の活動にとどめましょう。
痛みや腫れが落ち着いてきたら、ウォーキングなどの軽めの運動から徐々に再開できます。ただし、短時間から始め、体の様子を見ながら無理のない範囲で行ってください。少しでも痛みや違和感があればすぐに中止しましょう。
体の状態が安定していれば、軽いジョギングや水中ウォーキングなど、中程度の運動に移行できる場合があります。しかし、まだ激しい有酸素運動や、歯を食いしばるような筋力トレーニングは避けるべきです。
インプラントが骨に完全に定着するまでには個人差がありますが、本格的な運動の再開は、この時期以降が目安となります。ただし、ランニングやコンタクトスポーツなど、衝撃の強い運動は、担当の歯科医師に相談し、インプラントの結合状況を確認してもらった上で、許可を得てから行うようにしてください。
インプラントは顎の骨と結合することで機能しますが、その結合(オッセオインテグレーション)がまだ不十分な状態で無理をすると、様々なトラブルに繋がります。以下のような症状が出ている場合は運動を避けましょう。
通常の治癒過程であれば、この時期には痛みや腫れは軽減傾向にあります。もし症状が改善しない、または悪化している場合は、感染症や炎症の遷延、あるいは血腫の形成など、何らかのトラブルが起きている可能性があります。運動は血流を促進するため、これらの症状を悪化させることにつながります。
出血は通常、手術後24時間以内に落ち着くことがほとんどです。3日以上経っても出血が続く、または再開する場合は、傷口がしっかりと閉じていない、血餅が剥がれた、あるいは血管の損傷などが考えられます。運動は血圧を上昇させ血流を増加させるため、止血を妨げ、傷口の治癒を遅らせる原因となります。
シャワーは問題ありませんが、湯船に長く浸かったり、サウナに入ったりすると体が温まりすぎて血行が促進されます。これらの行為のよって出血・腫脹増悪リスクが増加するため、術後は入浴を控えましょう。
アルコールは血行を促進するだけでなく、痛み止めなどの薬の効果を弱めたり、体力を消耗させたりする可能性があります。
インプラント手術後の治癒期間は、今後のインプラントの寿命を左右する大切な時期です。
ここでご紹介した術後の治癒期間と段階的な運動方法をしっかりと守り、焦らず慎重に過ごすことが、インプラントの成功への近道となります。
もし何か不安なことや気になる症状があれば、自己判断せずにすぐに担当の歯科医師に相談しましょう。
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